想い描く未来に、一歩前進。
ワタシ、本当はやりたいことがあるんだけど、毎日なんだかんだ忙しくてさー・・・
その”なんだかんだ”を改善する余地がじゅうぶんあることも、”なんだかんだ”自覚していませんか?そんなときは、毎日必ずやっていること、いわゆる「ルーチンワーク」を見直すことで、一歩前へ進めるかもしれません。
おれの場合、実際忙しいから無理。この多忙な生活、体験してから言ってくれ!
と言いたくなるほど忙しい人もいるでしょう。
実質として自由な時間が無く、仕事以外の時間は休憩がてら食事を済ませ、あとは睡眠時間にあてる・・・なんて時期がある。私も何度も体験済みです。
でもそんな場合でさえ、見直す余地が無いと言い切れる人はほとんどいないのではないでしょうか。むしろ、そんな状態から抜け出すためにスキルアップをしたい、改善させていく対策を考えたい、まずはそのための時間を作りたい・・・と思うのが自然ですよね。せめて、少し余裕がある時期の過ごし方を考えてみる必要はありそうです。
習慣は、マイペースな管理術でこそ変えていくことが出来ます。なんとなくダラダラしてしまう人も、超多忙なマッチョな人も、【日々のルーチンを整理して、本当にやりたいことに使う時間をつくる】ことにチャレンジしてみましょう。
ここでは無料で利用できるタスク管理ツール、Todoistを使用した例を紹介しますが、自分にあったツールや落とし所を見出すきっかけにしてもらえればと思います。
Todoistの詳しい使い方
今回の作業のゴールは、毎日繰り返している【日次ルーチン】を見直し、仮で組み立てること。これは、心がけを毎日サラッと見直すだけでOKな、柔軟に組み立て直せる仕組みを作ることにもなります。
現状を視覚化して理想を並べる
まずはTodoistに【日次ルーチン】【当初のルーチン】【ルーチンに組み込みたいこと】の、3つのプロジェクトを作ります。
【当初のルーチン】に現状を登録
まずは現状で日々行っているルーチンワークを【当初のルーチン】内にひたすら並べていきます。ここで考えることになるのは、どこまで細かいことまで登録していけばいいか。人によって、一日の中でウェイトが大きいだろうと思えるものを並べていけばいいんですが・・・
”散歩”は入れたほうがいい?
”入浴”は入れたほうがいい?
”メールチェック”は入れたほうがいい?
なんて迷ってしまった時のために、基準を挙げておきます。
散歩はそれなりに時間もかかりますし、もしそれが「気晴らし」として作業効率の面でも欠かせないものであるなら、なおさら登録しておくべきです。
一日で5回もお風呂に入っていたり、重要なメールも放置しっぱなしになってしまうのなら、それらも一度登録しておきましょう。そうでないなら不要。つまり、なんとなーく時間が空いた時に忘れずに済ませていることは、登録しなくてOKだと考えます。
ここでは、日中は会社勤めをしている友人の生活を例に、下のように並べてみました。登録したものを一日の行動順に並べ替えておきます。
この友人の趣味はサーフィン。WEBの世界でも徹底してサーファーです。(本当)
【ルーチンに組み込みたいこと】を登録
ここには「自分が本当にやりたいこと」「なりたい自分のために必要なこと」を登録します。もちろん「習慣にしたいこと」をダイレクトに並べていってもいいでしょう。この時点では一日のキャパシティーを考える必要はありません。思いつくものは全部登録していきます。
ただし【ルーチンに組み込みたいこと】には大枠のものだけを登録し、それぞれの具体的な作業内容は別のプロジェクトを立ち上げ、そこに登録していきます。作業順に並べかえたり、具体的な作業日を指定してもいいでしょう。
今回作成する【日次ルーチン】はあくまでシンプルに。細かい作業内容は入れ込まず、「心がけを毎日サラッと見直すだけでOKな、柔軟に組み立て直せる仕組み」にします。
仮の【日次ルーチン】をつくる
さあ、いよいよ【日次ルーチン】を組んでいきます。まずは【当初のルーチン】を眺めてみましょう。その中には、生活をする上で絶対に外せないものがあります。(外したくても外せないものも含む)それらは迷わず【日次ルーチン】へ移動します。
【日次ルーチン】プロジェクト内では、一番上の階層に「日次ルーチン」というタスクを作って、ひとつにまとめておきましょう(理由は後述)。視認性が高くなるので「朝」「昼」「夜」などに階層化して登録していますが、そちらは任意です。
要らないかも?を削ってみる
この時点で【当初のルーチン】内に残っているものは、【日次ルーチン】に組み込まなくてもいいかもしれないものたち。「うすうす感じてはいたけど、”なんだかんだ”不要なんだろうな」と思っていたものも含め、視覚化されている状態です。
でもその中には、
コレはストレス解消のためにも、自分には外せない・・・
コレがないと明日への活力が・・・
と感じるものもあるでしょう。その時点で、今回の目標の半分は達成したようなものです。そういった「今の自分にとってはどうしても外せないもの」はきっとあるはずですし、まずそれらを知ることが大きな成果になります。そして遠慮なく【日次ルーチン】に移動しておきましょう。
後は残ったものをどれだけ【当初のルーチン】に残せるか。実際それぞれにかかっている時間もなんとなく想像しながら、
現状からコレ外してみようか・・・
と精査してみます。まずは無理のない範囲で、「いったん外す」ぐらいの気持ちでいきましょう。とはいいつつも、ここでは思い切って・・・
精査後の例
「食事中のお酒」以外は外してみました。
最後に【ルーチンに組み込みたいこと】からいくつか【日次ルーチン】に移動し、作業順に並び替えれば、新しい仮の日次ルーチンが出来上がります。
仮ルーチン完成例
ここでは、ストレス解消にもなり、趣味でもあるというお酒は我慢せずに早寝をし、早朝に作業時間を作るスタイルに変更してみました。アルコールが入ると一気に一日が終わってしまう、そんな感覚がある場合は概して、早朝型に切り替えるのがベストだと考えています。
【日次ルーチン】を繰り返しタスクに設定
仕上げに、最上階層にある「日次ルーチン」だけを「毎日」の繰り返しタスクに設定します。
直感的に「毎日」と登録すればOKです。
繰り返しタスクの設定詳細
以上で作業は終了です。
もう実践していく段階に入るんですがその前に・・・ここで、陥りやすい失敗例を挙げておきます。この失敗例が、タスク管理が続かない原因の多くにあたるというのが私の見解です。
タスク管理が続かない原因
例えばTodoistでは、タスクごとに時間指定ができたり、いざとなればタグを利用して「その作業にかかるだろう時間を視覚化」することも可能です。
「やってやるぞ!」と気合の入った人ほど、この仮ルーチンをつくる段階で細かく設定したくなるようなんですが・・そこまでしてしまうと概して、行動を支配されている感覚が生まれます。
小学生や中学生の頃作らされた、円グラフで一日の予定を作る作業・・・言わば、あれを大人になった私たちがもう一度やる感覚ですね。それが必要だと感じるならば、むしろ円グラフとリマインダーを組み合わせた方が”ツール”としては適しているでしょう。
つまりTodoistを使う一番のメリットは気軽さです。
時間で区切られていない、箇条書きで並べられたタスクを眺め、柔軟に入れ替える。
大人になった私たちには学校の時のように、全員で同時にやらされるような「円グラフ大会」はありません。自分で判断して行動しなければならないのです。つまり独りで同じことをしても続かないことが多い。仕事に一生懸命な日々のストレスや疲れに負け、これ以上縛られることに嫌気がさしてしまうことが多いのです。
それでも、管理体型を徹底し、どんどん細かく設定していく人たちも存在します。でもその人たちは良い意味で、「タスク管理自体が好き」「行動指針となる管理体型自体を作ることが好き」な人たちです。創作意欲、研究意欲的な側面が介在していると認識しておきましょう。
自分自身に、同じような「管理自体への意欲」を感じとれるでしょうか。「No」であれば、同じことをしていてもまず続かない。もしかするとタスク管理そのものを敬遠するようになるか、「タスク管理をしている人=時間のある人」のような偏見さえ持ってしまうかもしれません。
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今回の話に戻します。ルーチンを整理してスッキリしようとしているのに、一日がガチガチに縛られている感覚になってしまえば本末転倒。逆にストレス追加の原因になってしまいがちです。
一見、紙一重でありそうで全く違う方向に進んでしまう・・・一念発起してやってみようと思った時ほど陥ってしまう、”タスク管理あるある”です。
ツールに支配されず、利用することは絶対条件。今回の目的は、日々の行動に制限時間を作ることではありません。【ルーチンを整理して、本当にやりたいことに使う時間をつくる】です。
タスク管理は、出来るだけシンプルに、マイペースに。目的を見失わないようにしましょう。
行動を意識的に変えることが、大きな変化に繋がる
さて、今回作った仮ルーチンを日々「実行しようとしてみる」ことから始めます。例えば、ふと思い出した時に【日次ルーチン】を覗いてみる。または毎晩寝る前に覗くだけでもOKです。
あーそう言えば、食後の長時間テレビ、やめてみるんやった
寝る前のネットサーフィン、やめてみるんやったわぇ
心がけを思い出すことが第一歩。今まで無意識にやっていた行動を意識的に変えることが、大きな変化に繋がります。一日の終わりに覗いて、うまくいったとしても、思い通りに過ごせなかったとしても、「日次ルーチン」に完了チェックを入れます。それが「確認したことの証」です。
Todoistはモバイル版もあるので、寝っ転がりながらでもサクッと確認できるでしょう。
プルダウンで内容を展開できる
「日次ルーチン」には「毎日」の予定設定をしているので、完了チェックを入れるだけで、翌日のタスクとして再び現れてくれます。
モバイル版
WEB版
仮ルーチンは”心がけ”としての意義がある
何日か仮のルーチンを心がけてみると、
やっぱこのルーチンは、まだ自分には厳しいなぁ・・・
もしかしたらこの習慣も不要かも
ということになってくるので、都度自由に、入れ替えや追加を試していきます。理想の一日が送れなかったからといって、自信をなくす必要は全くありません。むしろ当たり前のこと。イレギュラーの無い毎日がずっと続くこともありません。
【日次ルーチン】は、”基準”として、”心がけ”として、存在させておくことに意義があります。
日常生活が変えられるなら「自然と未来は変わる」
理想のルーチンワークは完成するんでしょうか?私は、「理想はコレだ!」と言い切れるルーチンが完成する前に、もうこの日々の”見直し作業”が不要になっていることが多いんじゃないかと考えています。理由は2つ。
無意識のうちに、やりたいことに着手出来るようになるため、「理想のルーチンワーク」を完成させることが目的ではなくなる
何かが実現することによって日々の環境自体が変わる
無意識に、頭のなかだけで、都度やりたいことを差し替えながら応用できる状態になっている、ということですね。この”無意識状態”に持っていけたらもう、こっちのもんです。
環境が変われば、もう一度向き合ってみる必要が出てくるかもしれませんが、「今、ルーチンの見直しは不要。日々のタスク管理だけで大丈夫」と思えるようになっていることが大半なのでは、と思います。
毎日の行動がちょっとずつ能動的なものに変わっていくと、それがまたモチベーションに繋がっていきます。半年前とはだいぶ変わったなぁ・・・なんて思ってみたいですよね。
他の一例として、
仕事から帰って、子どもと食事してお風呂に入れて、寝かしつけたらもう気力10%
という人だったら、
こんな風に、”自分の一日”をまるっと変えてしまうことだって出来ます。これはイチ想定例ですが、「いっそ子どもと同じくらいの時間に寝てしまえ!」スタイルです。
この場合なら、本を読みながらウトウトして・・・続きが気になったときやモチベーションがあるときは早朝に持ち越し、なんて感じでもいいんじゃないでしょうか。
自分で日常生活を変えてしまうことは出来ます。「未来を変える」と言われればいかにも大きな志に聞こえますが、日常生活が変えられるなら・・・「自然と未来は変わる」はずですよね。
何かのせいにして、ずっと立ち止まってるなんてもったいない。まず振る舞うことで、ようやくスタート地点に立てるのだと思います。
おまけ -その他の応用-
今回着目したのは毎日すること、つまり【日次ルーチン】ですが、「ゴミ出し」「消耗品の買い物」など、ある特定曜日のタスクが多ければ【月曜ルーチン】などを作成して対応できます。
休日用の【休日ルーチン】、決算など月末にまとめてするものは【月次ルーチン】、さらには【2日毎ルーチン】などを作れてしまう応用力もあります。
でも、ここでもう一度思い出しましょう。今回の目的は【ルーチンを整理して、本当にやりたいことに使う時間をつくる】です。例えば月曜日に必ずやらなければならないことが2、3個なのであれば、タスクに直接「毎週月曜」と指定すればいいだけのことでもあります。
見直す必要があるのか、整理するメリットはあるのかも必ず、頭の片隅に置いておきましょう。
ルーチン整理の”本当のメリット”
ひとつひとつのタスクに厳密に時間を割当てなくても、一日の自分のキャパシティーは自然と把握できてくるはずです。やりたいことを柔軟に取捨選択できることが、続けるために不可欠な要素。そして”自分で考えて”やりくりする能力が身につくことにも繋がります。
ルーチン自体はなかなか定まらないこともありますし、そもそも変わり続けるもの。そして目的はルーチンづくりそのものではなく、【本当にやりたいことに使う時間をつくる】でした。
ルーチンがうまく定まらなくても、日々限られた時間の中で、自分が何をしているのか、どうしていきたいのかに向き合うことができる。本当に自分に必要なものを判断し、取捨選択していくことができる。その振る舞いこそが一番のメリットなんだと思います。
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