”リラックスしたつもり”になってない?
休憩しても休憩した気になれない。気づけばいつも、仕事の続きや気になることを考えてしまっている。なかなか頭を空っぽにできない。どうも熟睡出来ている気がしない・・・
忙しい毎日を過ごしていると、そんな状態になりがちですよね。「ストレスを感じずに過ごせたらどんなに楽だろう」なんて思うけど、溜まっていくのは避けられない・・・残念すぎる!
だって、一生懸命生きてるんスから!しょーがねぇっス!
ジブン、頑張ってるんで!しょーがねぇっス!
とは言っても、溜め続ける一方だとあぶねぇっス。・・・というのも当然わかってるんですよね。溜まっていくストレスは定期的に発散しろっ、なんてのはよく聞く話ですから。ということで、たまにはゴロゴロしてみますか!
いやー久しぶりにのんびりしたわーリラックスできたわー
・・・さて、その言葉、自分に言い聞かせてませんか?
体は休まったけど、やっぱり頭がスッキリしない。休んでた間も頭は・・・働いてた気がする。アレ?これってもしかして、リラックスしようとしてるだけなのかも・・・
身に覚えがあれば一度、自分の「リセットボタン」をつくることを試してみてください。いつでも簡単に「本当のリラックス」を呼び出すことができるようになります。
最初はちょっと抽象的な話から始まります。擬音語も連発します。
でも後半ではすぐに始められる具体例も紹介しているので、絶対に変な人だと思わずに、最後まで読み進めてください。ね。
”ボースー状態”が「リセットボタン」
「考えごとが頭から離れない」というのはきっと、脳が、疲れていることに気づかないほど麻痺しているんです。かわいそうな脳みそ嬢は、働き続けるのが当たり前になってるんですね。
だからまず、疲れに気づくようにならないといけない。そのためには、自分が「
」「 」を見つける必要があります。・・・ハイ?
はいスミマセン。例を挙げます。
例えば私の場合、ベランダに出て、空を飛ぶ鳥をぼーっと眺める。ずっと遠くに飛んでいる、米粒大の飛行機が旋回していく様子をぼーっと眺める。そんな時、「ぼーっ」とできて、頭が「すーっ」と澄んでいく感覚があるんです。これが私の「リセットボタン」。
他にもいっぱいあります。ひとつのほそーい電柱のてっぺんに、スズメが3匹くらいぎゅうぎゅうにとまって、なにやら秘密の会議をしている様子を眺める。他んとこでもえーんちゃうの、なんて思いながらもぼーっと眺める。
いつもの猫が、日のあたる地面にそーっと忍び寄り、いったん周りを警戒してから思いっきりゴローンっ、とする様子を眺める。そのあともキモチよさそうに、あっちを向いたり、そっちを向いたり、ゴローンっ、ゴローンっ、とする様子を眺める。
そのスイートスポットを奪い合ういつものライバル猫が、そーっと忍び寄っていくのに気づかない様子も、ぼーっと眺める。おいさっきの警戒心どこいったんや、その距離たるやわずか1メートルよなんて思いながらもぼーっと眺める。
こういったことを作業の合間に入れるだけで、ものすごく効率が上がるんです。実際その頭がしっかりリセットされている感覚を体感できるんです。さらっといいましたが、「ぼーっ」で「すーっ」だから です。展開早いです。ついてきてください。
の間は、「目の前のことだけ」にフォーカスしているので、余計なことを考えていません。その後はそれらが出来ない環境の時は、ふと目をつぶって部屋からベランダへ、ベランダから空へ飛んで行きます。・・・というイメージをします。風を頬で感じて体をいろんな向きに変える。だから見える景色も上へ、下へ、変わっていく。どんどん高く、どんどん遠くへ飛んでいく。
気づかないうちに頭が疲れてることって、たくさんあるんですよね。「リセットボタン」が増えれば増えるだけ、いつでも落ち着きを取り戻せるようになるし、ストレス解消(リセット)できる。ストレスの溜まり具合にも気付きやすくなります。
そして大事なのが、「あー。いまリセットボタン押せてるわー」の自覚。慣れると、ゆっくり、「すーっ」としていく気持ちよさを感じられるようになります。
実は・・この「リセットボタン」たちに気づくきっかけになった記事があります。
このブログを始めたことで、知り合うことができた方の記事。実はこれ、私がリクエストしたものなんです。
「休憩中も、寝ている間も、気づけば常に何か考え事をしているようで、うまくリラックスできないんすよね。なんかいい方法ないっすかね」
なんて図々しくも言ってみたら、記事にしてくれたんです。この記事を見て、たくさんのボタンたちが世に生まれたことでしょう。いい仕事をしました。・・・いえ、本当にありがとうございます。その後、自分なりのリセットボタンをたくさんつくるヒントになりました。
【公開後談】上記紹介サイト「Carbunculus」運営者の美佳百さんから、『この記事以外は怪しい人なんですけど・・・的なことを書いといたほうがいいんじゃないですか!?』なんていうオロオロメールを頂きました。
美佳百さんは天然石・パワーストーンアクセサリーのクリエイターなので、中には独特な意味合いを持つものも取り扱っていることからのお気遣いです。優しいですね。
私自身は制作頂いたことはありませんが、上記記事のような美佳百さんの感性や人間性、クリエイティビティを尊敬しており、良き友人としてご紹介させて頂いたことを添えておきます。
ではここからは、今すぐ始められる効果的な「リセットボタン」の汎用例を2つ、紹介します。
他人目線で自分を”ぼーっと、すーっと”
何かにイライラしているとき、焦っているとき。そんな自分の様子を、すぐ横に立って眺めます。分身の術的な特殊能力は不要。ちょっと横に立ち上がって、ついさっきまで座っていた席の、自分の残像を眺めるだけ。
そのとき、いろんな性格の”他人”になって、さっきまでの自分を眺めてみるんです。
そうすると、周りから見た今の自分はどんなふうに見えているのか、身近にいる大切な人はどんな気持ちで、辛そうにしている自分を見ているのかに気づきます。
わー・・・今コイツ、焦っとるなあ・・・”話しかけるなオーラ”満載やわ
こんなにひとりで背負い込まんでもえーはずやろ
じゅーぶん頑張ってるよコイツは
結果はどうあれ、力を振りしぼってちゃーんとやってる、えらいコやわ
そんなに辛そうにしてたら、なんかこっちも悲しくなるやんけ
そこにそんなリキ入れんでも、他の部分も手ぇ付けたほうが効率ええやろがい
今回はちょっと関西圏の方が多かったようですが、こんな感じで、自分はどう振る舞うべきなのか、ヒントになることが多い。意外とそんなことで、リセットされた気分で作業再開できるんです。これも「リセットボタン」のひとつと言えますね。
・・・ボタンか?
ボタンです。
寝る前の”物語”でリセット睡眠
本を読む時間があるなら、ビジネス書や参考書!な考えだった私は、寝る直前に読む本もそんなバリバリ本。いわゆるバリバリボンな状態でした。
ちなみにズンベラボンというのは「つるつるなさま」「のっぺりとしたさま」です。主に「頭部に雑草さえ生えない、不毛地帯をこしらえていらっしゃる方」を指します。関西圏で頻出するスラングです。仲のいい友人への、愛情がたっぷりつまった表現となります。
話を戻します。もともと、夜中に何度も目が覚めてしまうような浅ーい睡眠を繰り返していた私は、そういう体質なんだと、ある意味割りきっていました。ところが・・・
ある日、久しぶりに物語の本を読んで寝たんです。もちろん最後まで読みきれたわけでもないし、続きが気になりつつもウトウトして眠りにつきました。翌朝起きたとき、びっくりしました。何にびっくりしたかってそりゃあ翌朝になってたことです。
「えっ・・・コレって、けっこう熟睡できてたってこと?イヤそーやろ、だってえらい頭スッキリしてるもん。てゆーか久しぶりにずいぶんえー夢みたわ。いやほとんど覚えてへんけどよかったんは確かなのよ。いままでしんどかったし夢のようやわ、いや夢やけどそのツッコミはまた違ったアレでむしろいつもおれがゆーてるお前の悪い癖の(略)」
リラックス効果のある”物語”の力
で、しばらく続けてみたんですが、その日が偶然熟睡できたわけじゃありませんでした。予定がシビアな日はやっぱり起きてしまったりしたんですが、物語を読んで寝た夜はかなり熟睡率が高くなったんです。
後から調べてみると、どうやら物語の世界に入っている間は脳がとてもリラックスするようです。リラックスした状態にしてから眠りにつくので、自然と良質な睡眠がとれるということ。
もうずいぶん前のことなので、どこでその情報を得たのか覚えてませんが「イヤたしかにー実感してますーもっとはよ教えてー」となったことは覚えています。”熟睡してストレス解消するためのリセットボタン”を見つけた歴史的瞬間でした。
ところが私の場合ーー心当たりのある方も大勢いらっしゃると思いますがーー本でも漫画でも映画でもアニメでも、ある物語に一度触れると、一日じゅうその世界観の中にいる感覚になってしまい、びっくりするほどに集中力が落ちることがあります。ふわっふわしてるのです。
そんなわけで、私は「既に読みきったお気に入りの物語を、定期的に読む」ようになりました。毎日読んでたらさすがに飽きてくるので、新しい本に手を出しながらも定期的に地元に戻ってくるような存在の本、つまりリセットする本、という感覚です。
はい、「リセット」という単語が出てきましたね。そう、これも私の中では「リセットボタン」になっているんですね。うまいこと繋がりました。
私がリセットボタンにしている物語。それはミヒャエル・エンデ作「モモ」。有名な物語ですね。【時間どろぼうとぬすまれた時間を人間にかえしてくれた女の子のふしぎな物語】。
忙しさの中でどんどん流れていく時間、ストレスだらけの毎日があっという間に過ぎていってしまう・・・そんなときにリセットしてくれます。
「ああそういえば・・そうだったなあ・・・」と、うっかり忘れてしまっていた子どものころの”あの”感覚。その場にいたはずもないのに思い出す懐かしい感情。読むたびに想像力を掻き立てられる壮大な景色、厳かな香り。
技術が進歩して、どんどん物事は効率化しているはずなのに、ますます忙しくなっている不思議な現代で、時間に対する考え方が少しだけ変わる物語です。
ちなみに私はこの本を「
」と呼んでいます。リセットボタンの本、ということですね。とても響きがいいです。5文字しか無いのに、どこか韻を踏んでいるようでもあります。トトン、トン、とリズミカルで愛着も湧きやすく、覚えやすい。素晴らしいネーミングだと思います。ぜひ積極的に使っていこうと思います。使ってください。
以上、簡単で効果的なストレス解消方法を紹介してきました。ストレス解消は「本当のリラックス」が必要です。自分なりのリセットボタンをどんどんつくって、忙しさやストレスなんかに支配されない力を身につけていきましょう。
ご紹介いただきました!