自分はどう在りたい?どう進んでいきたい?
仕事や家事、学校の課題に一生懸命。どんな職種の人でも、やるべきことに追われながら生活しているとある時、『
』『 』に襲われることがあります。忙しくしていても、一息ついた休日でも、”ソイツ” は突然現れ背中の後ろをスーッ、と通り過ぎていくのです。
これはフリーランスとして独立している人でさえ体験すること。やりたいことを仕事にしている。一案件を終えた後のキラキラとした達成感や、やりがいを感じている。もしくは、少しずつ前進していることを実感している。それでも”ソイツ”は定期的にやってきます。
はっきりとした理由が分からないので、どうしたら良いかも分からないのです。
対策もわからないまま、多忙さに任せて過ぎていく日々…関わる分野における経験値は溜まっていくものの、いつまでも根本的な解決には至りません。
そこでふと考え始めます。これは何かを改善するべきなのか。でも原因が解らないままでは、うまく行動に移すことも出来ません。将来が不安?仕事が辛すぎる?いえ、一番の理由はきっと、
【 】からではないでしょうか。
時間が解決してくれることもあるかもしれませんが、「諦め」の方向に解決してはもったいないですよね。どんなことにも対策は必ずあるもの。モヤモヤ頭が邪魔をしているようであれば一度、じっくり対策を考えてみるべきです。
セルフイメージを自然に書き換えて、本当に実現したいことをハッキリさせる。
後述していきますが、それが不安を抱えた『モヤモヤ頭』の、何よりの解消方法だと考えます。
その場限りの精神論で解決しようとしても限界がありますし、どこかで自分を騙している感覚は拭いきれません。私も随分とモヤモヤしていましたが、“自分の中のモヤモヤが晴れる”というたったそれだけのことで、色々なことがスムーズに進んでいくことを経験出来ました。特に直面している人は想像しやすいのではないでしょうか。
“向き合って考えてみる”ということは無意識に出来ることではなく、意識的に行う必要があります。今回お伝えすることは私が実践してきた経験からの提案です。モヤモヤ状態から抜け出すための、ひとつの手がかりとしていただければ幸いです。後に出会い、自身の経験が上手く言語化されていて共感した『U理論』を交えて綴ります。
本書冒頭にある、企業内問題を解決するファシリテーターとしての実話もとてもドラマチックですが、これを個人の問題解決にまで落とし込んでいるところが特徴。
今の時代、フリーランスに限らず、同じようなモヤモヤ頭を抱えている人は多いようです。会社員、主婦、進路を決めかねている学生。同じ体験をしている人は、ぜひご自身に照らしあわせて参考にしてもらえればと思います。
自分がどう在りたいのか、どう進んでいきたいのか、手がかりを掴むことはどんな状況の人にも効果的です。
1. 固定概念を根こそぎ洗い出す
まず、自分の中で確立してしまっている色々な物事への固定概念(”決めつけ”)をいったん洗い出す作業をします。”決めつけ”といっても、それは今までの経験から備わっていることなので、大切なもの、かつアイデンティティーに関わるものなのですが、
。自分史を書き出す
その方法として、まずは「自分史」を書き出してみます。これまでの自分の半生を時間軸に沿ってざっと書き出すのです。
といっても、他人に見せるような履歴書や職務経歴書を作っても意味がありません。
書き出すポイントは、
自分の人生の進路を決めた決定的な出来事
辛くてしょうがなかった時期の出来事
今でも時々思い出してしまう、トラウマとなった出来事
人格が変わるきっかけとなったかもしれない出来事
周囲の人間関係が著しく変化した出来事
などです。
それらの出来事は、実は自分の奥底にいつもあり、覚えてはいるけれど普段は意識せずに暮らしているわけですね。他人に見せるものではないので、ありのままに、真剣に書き出してください。
頭で思い出すだけでなく書きだしてみると、意外とポロポロと出てくるものです。殴り書きでもいいので実際に書き出すことをお勧めします。
トラウマやコンプレックスを再確認・言語化する
自分史を書いている最中からじわじわと感じ始めると思いますが、書きだした出来事たちが、今の自分の環境や、仕事や、人格に大きく関与していることに気づくはずです。
ここでは、書き出された出来事から自分のトラウマやコンプレックスを再確認し、その原因も再確認します。そして恐らくそれらによって形成されてしまったであろう『諦め』や『皮肉』を思い切って言語化してみましょう。
『●●があったから、今の自分は○○に挑戦することを避けるようになってしまった』
『●●のせいで、今の自分は他人との共同作業に不信感を持つようになってしまった』など
”決めつけ” の下にある本当の感情を見つめる
言語化された『諦め』や『皮肉』を眺めて、
。すぐに出てくるかもしれませんし、ちょっと時間がかかるかもしれません。生活しながら、ふと見つめてみる習慣を作って下さい。
なんとなく見えてきたら、一度素直な気持ちで受け入れてみましょう。もしかするとそれが自分の本当の感情で、『本当にやりたいこと』『本当になりたい自分』に関係しているかもしれません。
2. 執着・決めつけを捨て、ベストな未来を考える
『本当の感情』が見えてきたら、今までの固定概念をとっぱらって物事を考えてみます。
『私は、今●●な環境で、●●の仕事をしている。でも、もしそうじゃなかったら?そうじゃないことが許されるなら?』
私の大きなSの自己(Self)とは何者なのか、
私の成すこと(Work)とは何なのかマイケル・レイ
ここでいう「大きなSの自己(Self)」とは、「最高の未来の可能性を表す自己」ということ。
この機会にじっくり考えてみてください。私もすぐには見えてきませんでした。
『私は●●の仕事をしている人間』というだけの漠然とした固定概念から、、、
この仕事だけでなく、実はこんな取り組みもしてみたい人間
このままなんとなく一生を終えたくはなく、一度はこんなチャレンジもしてみたい人間
こんな貢献もしてみたい人間
きっと、色々な自分に気づけると思います。
『当たり前のことを言っている』と感じますか?
正直な自分を見つめることは、何度やっても無駄なことはありません。
すぐに行動に移すことは難しいかもしれませんが、
。3. 思うがままに、動き出す
ここまで来ると、
を感じ取れるようになります。『U理論入門』では、
「なんとなく」感じていることや、思っていること(心の知性)を
「手が動くに任せて」まず形に表現し(手の知性)、
周囲からフィードバックを得たり、
宇宙-ユニバースとの対話を繰り返しながら(頭の知性)、試行錯誤の質を高めていく
と表現されています。
「宇宙-ユニバースとの対話を繰り返しながら」という部分は一見スピリチュアルにも見えますが、「偶然の出来事が突破口を見せてくれる可能性もある」、ということを表現しています。
“なんとなく”始めてみたくなったことは、今の環境にいながらも同時進行することは可能です。むしろ、同時進行するべきだと思います。急激な生活の変化によって逆に不安を感じるようになれば本末転倒。これまで培ってきた経験とスキルを活かすことも出来るかもしれない、そう思いながらスタートしてみるべきだと考えます。
また、行動し始めなければいつの間にか元のモヤモヤ頭に戻っていく、ということも添えておきます。人間の脳は、取り組んでいないものに関してはモチベーションが湧かないようにできているようで、そのことは科学的にも立証されているようです。初期衝動は大切にしましょう!
その後の展開 – 成長と”生きがい”の発見
自分の本当の感情を大切に新しい行動を起こし始めるということは、新しい分野で行動し始めてみるということ。すると当然分からないことだらけのはずですから、必要にかられた場面(場所)で穴を掘り下げていくことになります。
その穴の中ではきっと新しい『未来の原石』を見つけます。ベストな未来に満足するかもしれませんし、もしかすると満足できないかもしれません。
それでも新しく見つけた原石の奥に映るものは、手を出せば届きそうな、近くの土壌のものであることが多く、それにまた興味を持つことになるでしょう。
今いる穴は、自分自身が掘ってきた穴です。その穴を掘ることが出来たのであれば、新たに興味を持った近くの土壌に穴を掘っていき、新たな原石を見つけることもきっと出来るはずです。近くの土は、今掘ってきた土の質に近いはずですから。
それらの穴はどこかで繋がることが多く、一箇所だけ繋がることもあれば、いたるところで繋がることもあります。穴と穴を繋げることが目的であれば、全ての穴を深く掘り下げなくても大丈夫。『必要な分だけ』掘ればいいのです。
新たに見つけた原石も、そのまた次も、満足するものではないかもしれません。
でもその時にはもう、いくつもの原石を手に入れ、思い描く未来も、物事の考え方も変わっているはずです。”生きがい”を手に入れ、あの不安感はすっかり消えてしまっていることでしょう。
この内面の変化はきっと、誰にでも起こるものであると確信しています。一方で『新しいことを始めること』は『専門家の道から外れること』のように捉える方も多いと思いますし、それが間違いだとも言いきれません。
それでも興味深く感じられることを実践しながら、都度必要となる知識を吸収していくと必ず世界の広がりを感じますし、その間は何事においてもモチベーションが高く、”生きている”実感をひしひしと感じることが出来ます。自分の尊敬できる人物がいれば、その人を想像してみてもよいかもしれません。あらゆる分野のことに興味を持ち、不思議と詳しく、バイタリティーに溢れていませんか?
その中で多くの経験から得た知識やスキル、以前と比べると物事を多角的に捉えられるようになっていく視点は、誰かに提供出来ること・貢献出来ることの質まで高めていくはずです。そのことは自身の存在価値を自分で認められるようになることにも繋がっています。
そんな人生経緯の中でも、常に自分がどう在りたいかということは考え続けるべきものなのだと思いますし、自身の興味や心の声に正直に、成長を続けていきたいものですね。